煎茶と紅茶、理想の茶葉の違い

こんにちは。
暑くなってきた今の季節、冷茶が美味しい時期ですね。我が家でも冷茶セットを取り扱っていますので、ぜひチェックしてみてください。

さて、今日のテーマは「煎茶と紅茶の良い芽の違い」です。
お茶の品質を左右する重要な要素として、原材料である生葉の状態があります。
私の経験では、お茶の品質における生葉の重要性は約80%、製造過程は約20%と考えています。つまり、良い生葉を確保することが極めて重要なのです。

煎茶の場合、理想的な生葉とは病気や害虫の被害を受けずに、すくすくとまっすぐ伸びた状態のものです。そのため、農薬を使用して病害虫を防ぎ、健全な生育を促します。これは煎茶の品質を保つ上で非常に重要です。

一方、紅茶の場合は少し異なります。紅茶の製造過程には発酵が必要であり、良い香りを引き出すために、ある程度の虫の存在が重要になってきます。
特に、ウンカスリップス(だいたいの農家からは嫌われています。)という小さな虫の存在が鍵となります。

ウンカスリップスは新芽の樹液を吸いますが、これによって茶葉が自己防衛反応を起こし、独特の香りを生み出します。
この状態の葉を使って紅茶を製造すると、蜜のような香り高い「蜜香紅茶」ができあがります。これは高品質な紅茶として高値で取引されることもあります。

つまり、煎茶と紅茶では目指す茶葉の状態が真逆なのです。
煎茶では害虫を徹底的に排除しますが、紅茶ではウンカスリップスとの共生が品質向上につながります。

ただし、紅茶製造においてウンカスリップスの管理は非常に難しい課題です。

茶葉の生育段階によって虫の影響が大きく異なり、芽の出方にも影響します。
理想的なのは2〜3葉の状態で虫に吸われることですが、このタイミングをコントロールするのは至難の業です。

技術向上は常に考え動いていますが、虫のコントロールはなかなかどうして、意識の外にいる存在なので難しいところでもあり、面白いところでもあります。

今日は煎茶と紅茶における理想の原料の違いについてお話しました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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